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近代の防火管理

輪違屋 ←島原 輪違屋

 京都視察シリーズ 近代防火の最後の風景だと思います。

 輪違防火用水
↑ 玄関をくぐるとすぐに防火バケツと消火器です。
写真の左手前が玄関、右手暖簾の向こう帳場、まかない、手前側が客が上がる座敷になります。防火バケツは防火用桶であり、消火器は龍吐水(龍生水)であったのでしょうか。初期消火に向けた防火対策として実に合理的な配置だと思いました。帳場から飛び出て来ても、客を避難誘導しても、火消しが駆けつけても、この土間を起点に初期消火活動に移行できます。

 某消火器メーカーさんからの情報。消火器新商品を消防機関にて検定を受ける際に、当局より「この消火器の耐火性能は?」と聞かれたそうです。火を消す道具に耐火性能?変なことを聞かれたものだと思っていると、駆けつけた消防隊員は火災現場に消火器があれば自然に手を伸ばすので、破裂などの危険があっては困るとのこと。有用なものがあれば、手当たり次第、消火活動に徹するとはこういうことかと。我々設備屋も心して設計施工に当たるべきだと、ふと思い出した話です。


 輪違筒先
↑ ちょっと分かりにくいですが、玄関の戸の上の部分、消防ホースの筒先が掛けてあります。
1.2~1.4mくらいの長さかな、大物です。豊川稲荷の商店街の蕎麦屋か何か、ショーウィンドウに飾ってあります。ご興味の方はどうぞ。何本か掛かっていたが、いつの間にか残っているのがこれ1本とのこと。筆者が同行メンバーに「コレは消防ホースの筒先だよ」と説明すると、女将さん(でいいのかな)が「これはな、ギッコンバッタンやってな」と身振り手振りでフォローしてくれました。

この筒先は、火消しが「腕用ポンプ」を持ち込み、駆けつけてくることを想定しています。
腕用ポンプ ← 腕用ポンプ
沼津市明治記念館にて撮影。企画展「火消しのお仕事 沼津消防沿革史」展示品です。
同展示の説明書きによると、明治17(1884)イギリス製を元に国産化されたのが最初。2年後にはドイツ製を元にした国産化も。イギリス式を甲型、ドイツ型を乙型。ポンプの構造は龍吐水と余り変わらないが、給水装置を備えたことで水利から直接、水を汲み上げられるようになり、またホースをつないで放水できる為、破壊消防から火点を直接 水で攻撃する消火へと消防戦術が大きく転換した。


筒先写真天井面には、さりげなく熱感知器も有りますね。時代ごとの消防法規に合わせながら、近代の防火体制が進化している過程が分かります。この地域、道幅や周辺家屋の並びから見るに、どう見ても消防車での駆けつけは無理そうでした。その辺りの対策も聞いて来れば良かったのですが、ほろ酔い加減ですっかりくつろいでしまいました。

下記関連エントリと時系列ですべてつなぐことが出来た感じがします。腕用ポンプ以前はやはり龍吐水が活躍していたのだろうか。同行メンバーから「仕事熱心だねえ」、事務局からは「太夫が待っているので早くしろ」と遊郭そっちのけでチームワークを乱したようです(済みません)。はしゃいで舞妓さんばかり撮っていた訳ではないと、言い訳その1でした。

行ってきました!火消しのお仕事 近代大火と消防法の成り立ち、性質
明治記念館にて間違いに気付きました。 龍吐水写真と破壊消防について
最期の龍吐水師 消火器の登場と明治の産業革命
火災報知機の経済効果 火災報知機の成り立ちと意義

テーマ : 建築遺産から現代建築
ジャンル : 写真

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