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宝塚カラオケ火災 その後

宝塚カラオケ火災で遺族ら提訴 産経2009.6.29

 平成19年1月に発生した兵庫県宝塚市のカラオケ店火災で、死亡した少年3人の遺族が29日、「防火上の不備や欠陥を放置していた」などとして、当時の経営者や宝塚市などに計約3億円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁に起こした。

 訴状によると、店は市火災予防条例に定められた届け出をせず、平成元年からカラオケ店の営業を開始。出火当時、店内には消防法で義務付けられた消火器やスプリンクラーなどが設置されておらず、2階には窓もなかったとして「あらゆる防火規制を無視した違法建築」と主張。宝塚市も当時の店の状況を把握しながら、立ち入り検査や消火設備の設置を命じるなど是正措置を怠ったとしている。 火災は19年1月20日午後6時半ごろ、同店の調理室から出火。当時店内にいた客17人のうち、2階にいた少年3人が一酸化炭素中毒で死亡し、ほかの5人もやけどなどの重軽傷を負った。当時の経営者とアルバイト店員は業務上過失致死傷罪に問われ、いずれも実刑判決が確定している

 原告の遺族らは提訴後に会見し、長男の優樹さん=当時(17)=を亡くした平嶋秀次さん(38)は「火災が起きてから、まだ誰一人として謝罪をしていない。このままでは子供たちは死に損になってしまう。(訴訟を通じて)一人一人の責任を明らかにしてほしい」と話した。

 宝塚市の中川智子市長は「訴状の内容を十分に検討し、適切に対応したい」とコメントした。
以上、リンク先より

 一昨日のニュースから。刑事裁判では経営者側の業務上過失致死での実刑判決とのこと、経営者など管理者の責任は分かりますが、アルバイトなど教育がどうだったのか、可哀相ではあります。

 今回は民事。経営者側への責任とともに行政の監督責任ということで、賠償責任を問われています。ご遺族の方にしてみれば、一人頭約1億円×3名、当事者に賠償能力が無ければどうし様もない事ですし、監督責任として自治体に向かうのも理解できます。このようなケースは、交通事故のや転落転倒などでも、道路管理者への賠償訴訟など、意外と多く見かけますね。
 ここで、「事後の対処でしょ?」といわれればそれまでですが、監督官庁と宝塚市の対策を紹介します。

1 兵庫県宝塚市のカラオケボックス火災への対応について 国土交通省 住宅局建築指導課

下記のとおり、公表します。 
(1) 略、本件火災概要です
(2) 建築物概要確認年月日等 : 昭和56年8月7日 第91号
   構造等 : 鉄骨造 地上2階建
   用途 : 事務所兼倉庫(確認申請時)
(3) 国土交通省の対応○ 各都道府県等に対しカラオケボックスの状況について緊急点検を依頼    し、点検結果を国土交通省に報告するよう要請(1月23日)
   ○ 宝塚市等を通じて事故の状況等について引き続き情報収集

以下、リンク先PDFより抜粋

国住指第 2857 号 平成19年1月23日
都道府県建築主務部長 殿  国土交通省住宅局建築指導課長
カラオケボックスに関する緊急点検について
1 点検対象
カラオケボックスの用途に供する建築物又は建築物の部分(建築確認申請等の手続きがなされてない物件を含む。)
2 留意事項
(1)カラオケボックスは、法別表第一(い)欄(四)項の遊技場に該当するに該当することに留意し、防火・避難規定をはじめとする建築基準法令に適合しているか否かについて確認すること。
(2)特に、カラオケボックスの各室が「無窓居室」に該当する場合や調理室等に該当する場合は、次のような防火規定に適合しているか否かについて確認すること。
・排煙設備の設置(法第35条・令第126条の2・令第126条の3)
・非常用の照明装置の設置(法第35条・令第126条の4・令第126条の5)
・ 無窓居室の耐火構造の壁等による区画(法第35条の3・令第111条)
・ 内装の制限(法第35条の2、令第5章の2)
(3)建築基準法令に違反する事項が認められた場合は、当該カラオケボックスの所有者等に対し、使用禁止等の措置を指導し、速やかに是正させること。是正の指導に従わない場合には、速やかに法第9条に基づいて違反を是正するために必要な措置をとることを命じ、その旨を公示すること。
なお、違反が明らかになった場合には、法第9条の3に基づき当該命令に係る建築物に関与した者を通知するとともに、関係者の処分を講じるなど、厳正に対処すること。
3 点検結果の報告期限
平成19年2月16日(金)
*点検が完了していない場合であっても、期日までに終了した物件について報告を行うこと。
4 報告先
国土交通省住宅局建築指導課
以下略、書式等です。

2 宝塚市カラオケボックス建物火災報告書 平成20年1月22日更新 宝塚市消防本部 総務課
※ こちらは目次のみとします。リンク先より各章ごとにPDF
はじめに (17KB)
第1部 火災原因調査結果概要
     第1章 火災の概要 (54KB)
     第2章 出火建物の状況 (425KB)
     第3章 出火時の状況 (203KB)
     第4章 通報状況  (18KB)
     第5章 活動状況 (145KB)
     第6章 建物の延焼状況及び煙の流動状況 (1,647KB)
     第7章 火災原因調査の取り組み (181KB)
第2部 火災直後の取り組み
     第1章 国、県、市の対応 (21KB)
     第2章 予防及び警防業務に関する検討委員会 (19KB)
第3部 現在の取り組み状況
     第1章 総務部門 (468KB)
     第2章 予防部門
     第3章 警防部門 (16KB)
おわりに
本件火災は過去に例のない大きな災害であり、二度とこのような惨事を起こさないために、この事故から改善した仕組み等の検証、新しいシステムの構築、職員の資質の向上を図るとともに、各事業所、地域住民との協働の取り組みにより、災害を防止できるよう一層の消防体制の充実強化を図ることを決意するものです。

 まず、忙しいからといって起きてしまった事故や災害を擁護することはできませんが、この頃にあった「官製不況」のことを少し思い出しました。2006年、耐震偽装の姉歯事件を受けて、2007改正建築基準法施行を控えた、その時期の話題です。法施行により、建築確認申請が3ヶ月待ちはザラで、駆け込み申請というほどの好景気でもなく、建設市場は大混乱でした。勿論、官庁の建築指導窓口が、暇になったかといえば、膨大かつ緻密な確認作業になったからに他なりません。既存建物用途の変更や営業許可などからの把握がどの程度できるのか、下記の自治体の対応から、逆に「何が困難なのか」よく伝わってくると思いませんか。我々、専門業者による助力助言と誠実業務の必要性には背筋が伸びる思いです。

前掲、宝塚市の報告内容より、
第2章 予防及び警防業務に関する検討委員会
(2) 検討分野
検討にあたっては、カラオケ店建物火災における消防としての主要な課題として次の6項目に着眼し、重点的に検証する。
ア 予防業務、特に予防査察について
 (ア) 予防査察の充実
 (イ) 違反対象物に対する是正措置の強化
 (ウ) 未把握防火対象物の把握方法の検討
 (エ) 関係部局機関との連携の強化
 (オ) 関係者、事業所への火災予防条例等関係法令の周知、防火意識の啓発
イ 警防業務、警防調査について
 (ア) 警防調査の充実
 (イ) 警防調査処理と防火対象物管理との関連の強化
 (ウ) 予防業務と警防業務との、連携の強化
ウ 関係機関との連携
 (ア) 市内部の関係機関との情報共有などの連携の強化
 (イ) 県との連携、特に保健所から食品営業施設等の情報提供等仕組みの改善
 (ウ) 平成14年8月7日付け消第294号兵庫県防災監通知の「風俗営業の用途に供する
   営業所を含む防火対象物の防火安全対策における風俗営業行政との連携について」の活用
の徹底
エ 事業者を含めての市民啓発のあり方
 (ア) 事業者、業界等に対する既存建物の用途変更、増改築等に係る届出義務の周知 (イ) 再発防止のため、市民への情報提供の方法
オ 報道対応を含めて、個人情報及び情報公開のあり方について
 (ア) 記者会見の場所、設定等の検証
 (イ) 死傷者の氏名、搬送先病院などの個人情報の保護(個人情報保護とのバランスの問題、
   どこまでが公知の事実として取り扱えるのか)。
カ 職員研修のあり方と心のケア対策について
 (ア) 消防職員の資質の向上と教養訓練のあり方
 (イ) 職員のメンタルヘルスケアへの取り組み



テーマ : 地方自治
ジャンル : 政治・経済

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