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週刊 是清 これが肝 第9回

 第9回は、シリーズを通じて一番お伝えしたいことです。

第九話 我輩が社員採用の試験委員だったら

 我輩が、もし銀行なり会社なりの社員採用の試験委員であったなら、どんな人物を採るか。

 いいですね~。本書を通読して、最初に取り上げたかった一文です。県内某企業の入社式直前の内定取り消しが話題になっていた頃です。その頃にパッとUPしていたらタイムリーでしたが、一話ずつ取り上げていたら、お盆も近付いてしまいました。採用面接をお願いしている拠点のリーダーには必読です。当社ホームページより入社希望も頂いています。公式HPから拙ブログまでたどり着いたら採用は近いかもしれません。頑張ってください。
 それでは、早速。

 我輩は、学力などにはあまり重きを置かぬ。それよりも、常識の偏頗(へんぱ・極端な偏り)なく、円満に発達したもの、人格の高く品性の高潔な人を、躊躇なく採用する。学問があっても、品性の下劣なものや、常識の程よく発達せぬものは、銀行、会社員としては、到底成功する資格が無いと云ってよろしい。常識の円満に発達していることは、特に銀行員などに必要である。銀行員として欠いてはならぬ一切の美徳は、円満なる常識の中に備わっているからである。
 勤勉とか、努力とか、忠実とか、忍耐とか、その他一切の美徳は、常識の円満に発達した人には、必ず付随している。怠け者や、不忠実な人、意思の弱い人などは、常識に欠けているところがあるのは云うまでもない。


 意外と難しいのが、「常識」。そんなこと当たり前じゃないか、という前提が個々人でバラつきがあるもの。かく云う筆者も常識力に自信のない一人でございます。組織として行動する際、企業ブランドという伝統に裏付けられた行動規範があります。創業者以下、先輩諸兄が世間の常識に教えられたマナーです。それは現在進行形で失敗やお叱りを受けるたびに向上していくものでもあります。
 が、そこに新しい仲間が入るたびに教育をするわけですが、自分が非常識であることを反省できない人間も少なからずいます。今期、こっぴどく叱られたK君、そういうことだよ。「まだ分かっていないのか!」と云われないように頑張ってくれたまえ。
 常識を身に付けるには、多くの本を読み、新聞を読むという近道と、チャレンジ→失敗→反省→改善という体験の積み重ねがありますが、前提には「素直な状態にあるか」というスタンスがあります。続けます。
 が、どんなに常識があっても、又、どんなに学才があっても、人格の低い、品性の卑しい人は駄目である。銀行員や、その他、常に大金を取り扱はねばならぬ人が、万一、その金を私(着服、横領)しようというような、悪い心が起こったらどうであろう。自分一人の破滅であるばかりでなく、銀行(企業)にも大損害を蒙らせる。だから、銀行、会社で、金を扱う人を採用するときは、どんな場合でも、金を私しようというような心の少しも起こらぬ人、万一そのような悪心の萌芽があっても、断固として抑え得る人でなければならぬ。ただに、銀行、会社員ばかりでなく、今後の社会は、その業の何たるを問わず、学才があっても、品性の高潔な人でなければ私用しなくなる。学才よりも人格に重きを置くようになる。 

 そうですね。常識が備わっていることを厳密に言えば、正義感も備わっているはずでありますが、プライベートで借金漬けになる、とか、交際相手に唆されたとか、新聞紙上をよく賑わせるわけで、採用後のトラブルもあるかと思います。貧すれば鈍する、又は、衣食足りて礼節を知る、とあるように、喰うに困ると何をしでかすか分からん、という人間が一番困るわけです。喰うに困らん生活ぶりも、常識や品性に括られるべき事柄ですので、まず、生活に失敗しないことですな。


 銀行、会社員は、学問は余り高くなくても宜しい。学問のあることは結構だが、兎角、学問に呑まれやすくなり、その上、気位ばかりが高くなって、実地が迂遠になることを免れない。

 学問に呑まれる、プライドが高い。。。上記の「素直」という語を「謙虚」に置き換えて見ましょう。自己流、我流で叩き上げたタイプがどうしても陥りやすい罠ですね。「あ、そうか」「早速やって見ます」「どうも助かりました」という成功体験に繋がりにくい性格です。ある程度大切なプライドですが、成長を妨げるのも又、プライドです。悪玉コレステロールよろしく、悪玉プライドと呼んで見ましょうか。これは、自信、自負心に変装した「感情論」の塊りだから失敗する例です。上司への口答えや、会議のやるやらないの言い合いで、「俺の感情が許さない」という場面がないでしょうか。悪玉プライドと同じニュアンスで発生するセリフです。このことを「口に出した人間」は出世しません。感情は「コントロール」するものであって、「感情によって」判断するほど馬鹿げた話しはありません。居酒屋まで封印すること。ちなみに「愚痴」を言える幸せを実感しますか?会社があって、上司がとやかく言って、はじめて「愚痴」という快楽があります。その間にも、会社を守る為に、金策に走る、客先に頭を下げる、メーカーに泣きつく、、、努力を惜しまない人がいます。3~5年で明確な差が出ています。



 波乱万丈の実社会は、ただ学校の教科書を鵜呑みにしただけでは、わたって行けるものではない。人生の一切は、時々刻々に進歩し、発展するものであるから、教科書の知識だけでは、これに追いついてゆけないことは勿論だ。例えば、いくら外国の経済学に精通しても、日本の経済界の実情を知らなかったら、その知識を活用することは出来ない。実世間から離れた学問では何にもならない。
 だから、銀行、会社に職をおく人たちは、日中の勤務時間中は、全力を注いで努力すべきは勿論だが、帰宅後の余暇を利用して、実地の問題の研究を怠らぬだけの心がけが無くてはならぬ。
 しかるに、多くの銀行、会社員等は、余暇があれば、猥雑な新聞の社会記事などに読みふけっているようである。新聞の社会記事は、活字になっていればこそ、人々は平気でこれを読み、なんとも思っておらぬが、もしアレが活字でなく絵画に表してあったら、何人も顔を赤らめずに見ることは出来まい。

 将来、大なる成功を望む人は、こんな淫靡な記事など読む暇に、それぞれ、その職業に関連する活きた知識の吸収をはからねばならぬ。それは将来、雄飛の根底を為すものであることを知ってもらいたい。


 最後段は勉強法にかこつけてマスコミ批判をしていますね。時代は変わるようで変わりません。ちょうど、シベリア抑留について、戦後は終わっていないとエントリしたばかりなので。今でこそ「戦争責任」だの「靖国問題」だの平和への説教で忙しい新聞マスコミ業界ですが、当時、戦争を煽ったのもの新聞業界です。戦後の総括はマスコミからやらないとフェアではありません。二宮尊徳と報徳思想(その1)で取り上げた明言「経済の無い道徳は寝言である」をお贈りします。戦前戦後を通じて、アジテーターに煽られやすい国民性ではあると思います。冒頭では「新聞を読め」といっていますが、速報性、客観性についてですので、誤解の無いように。新聞TVも「感情に訴える」誘導をよくやらかしていますから。

 失敬、いつもどおり大脱線ですね。最後に、某得意先より社内報を毎年頂戴しますが、今年で60周年記念との事。会社の還暦ということで、記念式典での創業者のスピーチを同封いただきました。

 パプアニューギニア戦線より九死に一生を得て復員後、就職、独立、創業期のN氏のサクセスストーリー(苦難です)をご披露いただきました。某企業から独立する前に、業績の芳しくない部門に配属され、半年で部長代理に抜擢され(つまり、かなり頭角を現していたのでしょう)、同じ年に労働組合幹部候補にされると、トップ当選してしまい、新米を理由に固辞したものの規定により組合長を引き受けさせられたそうです。これは、後で確認したら候補者演説が大受けだったから。
 「組合は会社と一体になって労使が協調し、儲かる会社にすれば、ストライキや赤旗を振る必要も無くなり、組合の要求ももっとスムーズに通る」
当たり前のことを言ったつもりが、受けて、以降、組合の方針も労使協調に変わっていったそうです。

 そうして独立のきっかけがあり、また苦難のエピソードと「救世主」との出会いの披露があり、人との出会いの大切さで締めくくられました。どうです、本稿のテーマにピッタリな立志伝ですね。

テーマ : 求人 / 転職 / アルバイト / 在宅ワーク
ジャンル : ビジネス

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