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無理にヒットを創ろうとするよりも #2

注;これは田舎の防災屋のブログです。音楽記事ではなく産業記事のつもりです。ツッコミは無しでお願いします。

 あっと言う間に10月も終わってしまいましたね。

 同タイトルの記事を先日UPしたばかりですが、11月3日は文化の日。今度は音楽業界の記事です。オジサンの財布直壁という記事でもありますが。

 9年9月9日、世界同時発売のビートルズの全作品デジタルリマスターBOX&限定モノラルBOX、初回出荷100万枚を3日間で80万枚追加し、販売5日で23億円の売上だそうで(レコードコレクターズ11月号より、以下同)。発売日には拙ブログでも触れたぐらいの話題でしたが、両方のBOXを買うと75,600円、これがCD販売不振の業界の切り札で、関連のビートルズ関連のCDガイド各種も本屋に平積みにされ出版業界も特需にあやかっているそうです。

 こちらは本人死亡の淋しい理由ですが、マイケルジャクソンの追悼特需、80年代の伝説POLICE再結成特需もおっさんの記憶に新しく、極めつけはキングクリムゾンのコレ。
クリムゾン・キングの宮殿 デビュー40周年記念エディション(紙ジャケット仕様)クリムゾン・キングの宮殿 デビュー40周年記念エディション(紙ジャケット仕様)
(2009/10/28)
キング・クリムゾン

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 いずれも音楽のことで興味や好き嫌いもある所ながら、クリムゾンキングの宮殿はビートルズのアビーロードをチャートから引き摺り下ろしたモンスターアルバム。

 。。。しかしながら、踊らされておいてなんですが、デビュー40周年とか、解散して22年のバンドがオッサンの財布を刺激しつつ、全体的にCD不振という惨状。イロイロな産業構造の不況のあり方を考えるに、(自分としては)分かりやすい音楽産業について(一方的に)思い当たるところを、ひとつ。
 自分には興味のジャンルですが、J-POP(この言葉がもう、ね)の方面では、「邦楽が腐ってしまったのは俺とつんく♂のせい。by小室哲哉」と「J-POPの幼児性の元凶」であると著書で回想し、話題になっているようです。リンク先は、この話題を受けて、現在バンド活動をしている現役の方のブログなので、業界の姿勢が分かって楽しい。記事中より、音楽事務所よりとにかく、分かりやすくなきゃダメ、分かりやすいほうから売れていく、と言われた経験があるそうです。これは、消費音楽としての一つの方向付けで決して間違っていないでしょう。

 大人がゆっくり消費して鑑賞する音楽がないがしろにされていなかったでしょうか。J-POPというキーワードをクサスような表現をちょっとしましたが、90年代以降、負けないで、とか、愛はかつ、とか、それが大事、とか、ちょっと気持ち悪い応援歌ばかり。それ以降が未成年市場のCDバブル、小室氏の言及する事態になったような。同じくくりで「アーティスト」という言葉も陳腐化しました。

 アーティストが身近になった結果、という知人の育成機関のジレンマも聞いています。ビートルズが凄い、サザンは違う、プロと自分との境界を自覚して努力していたものが、ハマダさんみたいに、とか自分との垣根がなくなってしまった。近所のお姉さんに共感して、プロの世界の色々な音楽を聴かなくなってしまっているそうです。プロを尊敬しなくなると同義で、自己流の歌と演奏だけを追及するようになってしまう。ヴォイストレーナーや、バンドのアレンジャーが軽視され、重厚な、質が高い、とは縁がない方向に進んできました。そういった「歌手志望」の特に女の子は、特訓があと半年は必要と見なされている子を、とりあえずグラビアに、とタレント事務所が青田刈りをしてしまうので、「歌い手」というものが育たなくなってしまった。そんな嘆きでした。

 TV番組とのタイアップというシステムも、曲お抱えのオーケストラやプロの作曲チームでなく、新人バンドの登竜門になってしまったようで、随分劣化しましたね。野生の王国、ジャングル大帝、タイムショック、11PM、、、伝説の番組は音楽の質も高かったと思いませんか。曲も安く上がり、新人もチャンスという、会社同士の成功事例でもありましょうが、深夜番組などに絞ればいいのに。ゴールデンに見るべき番組が減り、スポンサーも減り、という悪循環には、質を求めなくなった局側の自省があってしかるべき。

 上のamazonリンク、デビュー40周年のキングクリムゾン「RED」の解説には、、リーダー、ロバート・フリップ氏のインタビューが。「昔はこの音楽をどうやってビジネスにするかで悩んだが、今はこのビジネスをどうやってビジネスに繋げるか、会社対会社の付き合いに。ただの巨大産業になってしまった」と業界批判をしていました。日米英の違いもあると思いましたが、ビートルズ以来のビジネスモデルはビートルズしか儲からない。次のビジネスモデルを作るのは誰だ、と示唆しているようにも感じました。

 まあ、音楽が好きな人のための音楽産業を取り戻さないとダメかもしれない。


ビートルズのリマスター盤、BOXセットでガンガン売れているのは、日本だけ。英米は個別にアルバム、ラバーソウル・SGT.ペパーズ、アビーロードあたりが売れているようです。日本人のコンプリート癖と、やはり豊かさもあると思います。限定モノラルBOXは、オークションサイトで既に倍以上、8万円以上のプレミアになっているそうです。キングクリムゾンも、日本市場だけに特別にBOX発売とか、その他、日本盤だけのボーナストラックも多く、逆に本国のコレクターが輸入するような商品力を持っています。来日コンサートも、ベンチャーズがいまだに毎年来る、とか有名ですが、過去の大物なんかが日本でメシを喰っている、なんてゾンビ市場と揶揄されることも。

日本のリスナー、或いはコレクター市場は層が厚く、バカタレントのプロモート費用をベテランや独創的な新人発掘にあててくれると、堅実な消費に戻るのでは。無理にヒットをつくろうとするよりも。

テーマ : マーケティング
ジャンル : ビジネス

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