FC2ブログ

家訓・社是・社訓の”カ・キ・ク・ケ・コ”

家憲正鑑  家憲正鑑 北原忠種 皇道会出版部 大正6年

中核市の電話帳くらいのボリューム。話題の岩崎弥太郎をはじめ、三井住友安田など錚々たる家系の家訓。昭和3年現在で16版なので財閥解体の憂き目までのベストセラーだったのでしょう。明治の名士や大店が半分、北条氏政や楠正成、豊臣徳川など名だたる武将、平田篤胤から吉田松陰までの思想家、西郷どん勝海舟など幕末のヒーローの家訓までがもう半分。
年寄りの話はまだるっこしいが良く聞きなさい、とか、ケチといわれるより律儀な人といわれるように、とか、奥さんには芝居見物に度々でて世間に顔が知れ渡ることは慎んでくれよ、と中々面白い一冊。

前月より出張が多く、北海道のなまら旨いモノの報告だけはしましたが、その続編や、上海・蘇州のレポートも頭の中で纏りつつあります。が、その前に今後のレポートの端々で先々でつらつらと考えていたことの基本になります標題の件を。

帝国データバンクさんが発行している「週刊 帝国ニュース 静岡県版」 2010 6/11号に我が意を得たりという連載記事がありましたので参考にしました。下記の通り、力作です。が、筆者が要約しています。

静岡支店開設100周年特別企画
伸びる老舗、変わる老舗 老舗の「家訓・社訓・老舗」を分析する(その2・終)

■ 家訓・社是・社訓の”カ・キ・ク・ケ・コ”

カ : 『感謝』
 お客様や自然の恵みに対する感謝の意。取引先すべてに心を込めて商う精神。
売り手よし・買い手よし・世間よし・・・「三方よし」を家訓・社是・社訓においている企業も多い。

 ・価値あるものを価値づけて売る。商いは喜びの連鎖である。即ち、仕入れ業者に喜ばれ、社員も喜び、
  そしてお客様にも喜んでもらえば、企業は存続する(みそ製造)
 ・お客様、仕入先、また、地域社会において誠心誠意正直な商売を行うことが我々自分にも還元されること
  につながる事を信じること(呉服・服地小売)

キ : 『勤勉』
 正直で真っ当な商売を心掛ける、商売の本流をゆく、地道な努力は必ず報われる、、、勤勉努力の精神。
信用第一にて、誠実で謙虚な経営を続けるよう戒める内容。コンプライアンス経営の先取り。

 ・美味しいものを作れば、儲けはあとからついてくる(生菓子製造)
 ・信為万事本・・信は万事の本と為す(和洋紙卸)
 ・地域から支持される誠意ある取引・・嘘をつかない(旅館・ホテル)

ク : 『工夫』
 品質を最優先課題として、それを守り抜くこと、技術を継承すること、工夫を重ねて常に時代に合わせて改良を続けてゆくこと。

 ・老舗は常に新しい(鮮魚小売)
 ・玉磨かざれば光なし(時計めがね小売)
 ・伝統は革新の積み重ね(酒小売)


ケ : 『倹約』
 無理無駄を省き、合理化を進めて社業の発展に尽くすこと。投機や暴利に走らない、保証人にならない、無闇に拡大しない、など金銭面の戒め。

 ・出るをおさえて入るをはかる(呉服・服地小売)
 ・細く長く、店は借り物、時代即応、出ん得、金貸さず、浮利追わず、役就かず(線香製造)
 ・利は貪らず与えるべし(清酒製造)

コ : 『貢献』
 家族や地域、社会などコミュニティに貢献すること。公共精神。高い使命感をもって、社会や文化の発展に尽くすこと。

 ・地域に必要とされる企業であれ(清酒製造)
 ・我社の経営目的は「社会的存在価値を高めること」である(清酒製造)

以上、要約ですが、大変読ませる記念特集でした。快く転載を許可してくださった帝国データさんに感謝し、宣伝になればと思います。購読者が増えたら何か下さい、、とかなんとか(勿論言いませんよ)。

ふむぅ、カ・キ・ク・ケ・コ。味があります。当社はまだまだ45年ですが、防災業界では最古参になります。それこそ創業会長が地道に経験し体得してきた経営哲学を幼少時からウルサイくらい聞いてきましたが、このカ行はすべて網羅されています。業界としても新しく、当社なりの明文化作業がやっと始まったところでしょうか。創業会長に直接叱られ仕込まれた世代もどんどん卒業してしまう年代になってきましたので若い世代で明文化し、社風として確立して行こうではないか、という機運が高まってきまして二代目として心強く感じているところです。

当社のカ行

『感謝』・・・愛・感謝・誠意 を掲げて20年ほどになります。顧客満足は
       言うまでもありませんが、仕入先や当社の工事安全協力会とのパートナーシップへの進化と、
       社員とご家族の達成感・満足感・幸福について、三方良しが会社の幸せな状態であると堅く信じて
います。

『勤勉』・・・ちゃんとキチンと! とは、金沢の先輩同業者から授かりました。年次スローガン3点を社員から
       募っていますが、スローガン全体の冠に「ちゃんとキチンと!」が被さっています。

『工夫』・・・企業秘密です!(ふふふ、自信あり)

『倹約』・・・明文化に至っていませんが、原価管理の徹底と利益の確保については皆さん耳にタコでしょう。
       バブル景気にも投機をせず、「石橋を叩いて渡らない」という創業以来の堅実経営で現在があること、
       社員にはよく頭に入れてもらいたいポイントです。お客様の「安心安全」をお預かりする防災会社が
       安定した経営状況にあることが一番の貢献であると叩き込まれています。

『貢献』・・・リスク回避と快適空間 を社長就任に際して打ち出しました。
       火災から人命財産を守ることを目的に防災設備専門会社として創業した会社です。その防災思想と
       技術や経営資源をセキュリティやテレビ共同視聴設備、ナースコールに応用し、現在では、ゲリラ
       豪雨の河川監視システムの開発設置まで手がけています。「安心安全」にこだわって「快適便利」
       を追求する。ビジネスが即ち最大の地域貢献であると、これも信念です。

まだ40前の若輩者ですが、次代に渡すまで20~30年は荒波にもまれることでしょう(只今、真っ最中)。その頃には味のある金言を生み出したいと思います。創業会長も松下幸之助や多くの経営学を学び、自己啓発をし、当時経営の神様と称えられた名経営者の著作に触れ、感銘を受け相談の手紙を送ると、丁寧なアドバイスの返事を頂戴したそうで、現在までの大いなる自信と指針につながったそうです。但し、名著金言の受け売りでは、この業界、この会社にフィックスするかといえば、社員に翻訳して分かりやすく伝えなければ根付きません。上に引用した、呉服には呉服の、鮮魚には鮮魚の、酒造には酒造の社是社訓を老舗に至るまでのプロセスで熟成してきたのだと思います。防災・安全分野の会社の熟成はまだまだこれからのこと。当社の金言は当社が体得すべきプロセスでしょうし、試し続けることが永続企業の永続する理由なのだと、結論付けようと思います。

こんなことを考えて、出張先の町を散策しています。長くなりましたが、以下次号。

テーマ : 温故知新
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

諸戸清六・心得二十か条

とても興味深く、見させて頂きました。
諸戸清六と言う日本一の大地主といわれた、豪商がおられました。
その人物が「心得二十か条」と言うのを残されました。
御存知ならば、お教え願えますでしょうか?
よろしくお願いします!!

Re: 諸戸清六・心得二十か条

お問い合わせありがとうございます。
本記事資料の「家憲正鑑」に、諸戸家の記載がございます。
コメント欄では手狭なため、別稿に改めてUPいたします。
ご期待に副う内容になるかわかりませんが、今後とも
ご支援くださいね。
プロフィール

素頓亭

Author:素頓亭
スットン亭です。
旅を仕事にしたい今日この頃。

最新コメント
カレンダー
08 | 2019/09 | 10
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブログランキング
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード