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報徳思想】江戸時代の災害マニュアル

おにぎり
士人 飢民を憐れみて街頭に握り飯を施す 安政見聞録(安政3・1856) 江戸科学古典叢書19より

わずか3カ月弱…東日本大震災“倒産”阪神を超えた! 2011.06.03 ZAKZAK
 東日本大震災の関連破綻(倒産と実質破綻の合計)が145件に達し、阪神・淡路大震災での倒産件数を突破したことが東京商工リサーチの調査で分かった。阪神大震災では1995年1月の発生から年末までの約1年間で144件だったが、わずか3カ月弱で上回ったことになる。
 都道府県別では東京が20件で最も多く、福島11件、宮城と群馬、北海道が8件と続いた。
 阪神大震災での関連倒産は80%以上が近畿地方に集中したが、東日本大震災では北海道から九州まで全国に広がっているのが特徴。取引先が被災して売り上げが落ち込むなど間接的な影響を受けた企業の破綻が多い。 破綻の内訳は、法的整理や銀行取引停止処分などの「倒産」が96件、事業停止や破産手続き中などの「実質破綻」が49件。阪神大震災の関連倒産には実質破綻は含まれていない。


 震災翌週の3月19日、大日本報徳社で公開講座がありましたが、緊急性を以って内容を変更し、報徳思想における防災思想をレクチャーされました。以下、受講ノートより。

『台風・地震への備えを「二宮翁夜話」福住正兄 著 より学ぶ』
※著者は二宮尊徳の高弟、翁の教えの聞き書き。
二宮翁夜話二宮翁夜話
(1995/01)
二宮 尊徳、福住 正兄 他

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概要;夜話の災害対策の記述と現代における備えについて
  


テキスト(夜話)より

225 )天災・人災に平常の準備
 家屋、施設等は費用を惜しまず補修しておくこと。米・金の貯えを。
⇒耐震補強と非常食等の備蓄、被災後の出費に備えて貯蓄を。

226 )滅びるべきものが滅びる
 倒れるべきところが大風によって倒れ破損する。
⇒耐震診断等で弱点を把握し、補強の心がけを。 

228 )洪水の予知 
・大雨の時には井戸水が溢れる
 ・川の流れに逆らって風が吹き荒れる
⇒天気予報に注目し、外に出ない。川は小さい川でも危険。海に近寄らない

230 )凶荒予備に もみ囲い 
 ・大洪水、大風、大地震、その他非常災害は60年に一度くらいは必ず起きる。
 ・有志の者が申し合わせて貯蓄を
⇒東南海地震(1944)から60年は2004年。今年は2011年である。
 貯金と備蓄

233 )飢民救助の実施方法

 1)力仕事が出来ない老人・子供・病人・女性を、寺院・大きな家・小屋へ ・男女ごとに30人40人ずつ一組にし、一組に世話人12人をつける。
⇒被害者の実態を敏速に把握し、互助の仕組みを作り、働くことができる人を中心に被害への対応には迅速にあたる。
⇒水・電気・ガス・トイレ等のライフライン復旧を急ぐ。
⇒日頃より区単位でまとまりのある活動(訓練等)により実力あるリーダーを書くに災害時の復旧を図る(備え)
⇒ボランティアは有効活用する(明確な指示を)
 ・一人に付き一日白米一号の配給。
 一日に4回(一度に二勺五寸)、決まった時間に水をたくさん入れ、塩を入れ、時に菜・味噌を少し混ぜた粥を配給。「殿様のお慈悲の粥であり、ゆめゆめ不足に思う出ない。なるたけ腹の減らぬようにして、空腹を堪えることが仕事である。
⇒感謝の気持ちなど道徳的にも当然大切であるが、揉め事などに発展させないことが大切。避難所の共同生活はストレスが高まります。「働けないものは腹が減るから動くな」というのは慧眼だと思います。

 2)身体強壮の男女には勤労させ、賃金を稼がせる。 
 ・買い上げ~平常五厘の縄一房を七厘で、一銭の草履を一銭五厘で、三十銭の木綿布を四十銭で、
  十五銭の日雇い賃金を二十五銭で。(日雇いの仕事は、道、橋、堤、堀、溜め池の修理)
⇒これもまた慧眼。いたずらに地域のことが分からないボランティアを投入するより、強度の復興名目で頑張って貰う。割高の賃金で購買力を高め、インフラと家計の復興に繋がるでしょう。日赤の義援金の行き先は、公あって欲しい。。。。

 3)気晴らしに、藩士の武術の稽古を見学させ、空砲を鳴らした。
⇒避難所等でのレクリエーション、ミニコンサート、旬のものの差し入れ。
・・・各メーカーさんの総会月でしたが、5月前に開催予定の企業は見送らざるを得なかったと思います。自社の稼働状況や以降の予測を変更せざるを、、、自粛というより優先事項があるという印象。5月中旬より各社さんの総会に出席しています。被災地のディーラーさんから直接聞いた本音。被災地で2ヶ月以上、復旧復興に専念しているが、終わりが無く沈鬱な気分が全体を覆っている。そんな中でパーティーの出席は気が引けていたが、出席してよかった。こんなにも全国が心配してくれるのかとほっとした。明るい情報交換が出来た。本当に良い気晴らしになりまた頑張れます。本当にありがとう。。。。

 4)避難所解散時には、
 ・一人に付き白米三升、銭五百文を褒美とした。力仕事の出来たものへは鍬一丁をボーナス。
 ・荒地一反歩につき、お越し量三分二朱 プラス 仕付料二分二朱 プラス 肥やし代 一分
  =一両二分四朱えお給付。それにより、一春で58町9反の植え付けが出来た。

 5)餓死者 一人もなし
⇒今般の震災では残念ながら、、、合掌。

 238 )天保飢饉の予知と対策
 ・夏に秋茄子の味がして秋風めいた風が吹いた。多くの村に危機を説く。
  谷田部・茂木の村は尊徳の話を信じて対応した。真岡村は はじめは利益が大きい木綿畑を稗・粟等の
  作物地にすることに不満だったが、後に反省している。

 241 )御厨郷(御殿場市一円)の救急仕法
 ・役所から無利子金を十ヵ年賦で貸し渡して大いに救助できた。餓死者なし。
⇒これには報徳思想の善意が浸透していることも重要なようです。「この無利子金のお蔭で私は助かった。次の人にも役立てて欲しいと、利息代わりの礼金を寄付する”マナー”のお蔭で基金がパンクしなかったようです。関東大震災のモラトリアムでも信用クラッシュがあったことは以前に述べました。



震災後に倒産しない法震災後に倒産しない法
(2011/05/20)
吉田猫次郎

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冒頭の記事の通りの倒産ペース、阪神淡路のときはこの手の本が緊急出版されるような事態にはなっていなかったと思います。中小企業向け緊急特別融資など経済対策がまったく聞えてきません。円高放置に復興増税、すべて復興の為には足枷の政策ばかりに感じます。

 上記の防災思想、飢民救済から金融、備蓄まで網羅された、江戸時代の発想が輝いて見えます。 
 もっとも、安政の大地震(上掲)による財政逼迫も幕末~維新の遠因とされています。

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