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渋川高齢者施設火災について

小規模福祉施設の防火安全対策の徹底
~認知症高齢者グループホーム等の防火安全対策の徹底を!~
 消防庁予防課(PDF)

 まずは上記広報資料をご覧ください。H18年の長崎グループホーム火災、死者7名の惨事を受けての移行期、立ち入り検査目前の惨事が発生しました(被災者および関係の皆様には謹んでご冥福をお祈り申し上げます)、下記について。

 3/20 渋川の高齢者施設たまゆら火災の報を受け、
「最悪の事態招いた」と謝罪=防火設備「ないんです」-7人死亡火災で理事長時事通信 の記事にもある通り、取材陣が84歳の理事長を取り囲んで設置義務化へ移行期の防火設備についての不備を糾弾する様子を痛ましく感じ、暫くエントリを差し控えていました。第一報(速報)の段階では、多少のひっかかりが有るものの情報量も少なく、暫く重文消失に関する話題に掛かりっきりでもありましたので。

 その後の取材で、無届けであることをはじめ、説明会等の度重なる欠席、頻繁な増築、避難経路の瑕疵、書類の不備、避難訓練をしていない、など、運営上の問題点が浮き彫りになっています。喫煙の黙認とナースコールが故障したまま放置されていたことから安全性の不備も明らかとなりました。群馬県警では業務上過失致死傷容疑で立件する方針を固めたそうです。

 厚生労働省は今回の事件を受けて各都道府県に対し、緊急点検を実施するよう通知。
点検項目は、法律に定めた不燃性の建材を使用しているか、適切な火気管理が行われているか--など。
1).無届の有料老人ホームを対象(07年2月現在で377箇所)
2).防火・安全体制について(消防用設備や避難通報体制)
3).利用者の処遇状況 など

この通知を受け、静岡県の施設点検方針
1).県や市町村で把握している無届施設は県東部に6施設
2).県は関係市と連携し、すべての施設に職員を派遣、問題の有無を確認
3).併せて早急に施設の届出を促す
4).該当施設であるか確認が必要な施設も2箇所、確認の上必要に応じて実施




 消防法は遡及法であり、過去の重大火災を受け、社会の変化に応じて規制を強化してきました。記憶に新しいところでは新宿歌舞伎町火災を受けた雑居ビルに対する責任の明確化、建築物の高層化・インテリジェント化に伴う総合操作盤の設置、宿泊施設等の消防機関へ通報する通報装置の設置、静岡県民であれば忘れられない日本坂トンネル火災や静岡地下街ガス爆発など、従来の規制で対応できない事件事故であれば早急な法改正が実施されています。本件に関する法改正の経緯と目的(PDF)消防庁の資料です。
 当事者自身の人命財産の保護もさることながら共同体社会の安全保障であること、所有者の地域に対する責任であるともいえます。

 遡及法といっても、施行と同時に実施では規制される側も予算措置等たまったものではありません。公布と施行の間の周知期間は知られるところでしょう。高齢者施設関連の法改正はH21年4月1日からですが、経過措置として「現在すでに建設中のもの、増改築、移転修繕等」の消火器及び簡易消火器具は1年の猶予屋内消火栓、スプリンクラー、火災報知機、消防機関への火災通報装置は3年の猶予と、それぞれ期限を設けています(政令第179号原文はコチラ)。今年5月が設置期限、話題の住宅用火災警報器も義務化はH18年6月1日、3年間が猶予期限でした。

 小規模施設であってもスプリンクラーを既存施設に追加設置する場合のコストは300万円程度掛かると思います。補助金制度等を活用したとしても施設側の負担は相当なものだと思います。設置期限までの運営(防火対策、避難計画)や省コスト提案など、我々が事業者としてお役に立てることもあろうかと思います。

 以前のエントリ行ってきました!火消しのお仕事でも、消防法の成立過程と意義に触れています。


 以下、雑感。
 フジテレビの報道アナウンサー、黒岩祐治氏の著作(下記リンク)に老人ホーム火災の取材記があり、現場の様子が生々しく再現されています。1987東京都東村山の特別養護老人ホーム松涛園、16人が犠牲となる大火災でした。火災報知機は不作動、或いは電源OFF。ベッドから身動きできなかった痕跡、ベランダに出られれば助かったと思われたが、2~3cmの段差のためにベランダに出られた人もいなかった。
 この件は、一定の規模以上の施設への消火栓、スプリンクラーの設置に繋がる(今回更に厳格化)、今に繋がるバリアフリーの苦いキッカケにも。
 火災原因は避難できた高齢者も認知症やパニックのため特定できず不審火のまま。但し失火ではなく、リネン室に煙草を隠すなりして投げ込んだか。
 犠牲者16人のうち12人の合同葬儀も人影まばらで老人の孤独を思う。一部の遺族「賠償金はいくら?都の施設だから相当ですよね?」の質問に捜査一課長も怒りあらわ。普段一度も面会に来ない遺族に限ってお金の話し。悲嘆にくれ涙を流していたのは寮母さんのみ。彼女たちこそ晩年の本等の家族に違いあるまい。
消防官だからできること―消防官になりたい人、全国の消防の現場で働く人に贈る消防官だからできること―消防官になりたい人、全国の消防の現場で働く人に贈る
(2005/01)
黒岩 祐治

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 以上、関係部分を勝手に要約しました。

 今回の犠牲者には改めてご冥福をお祈りします。しかし重要なファクターは入居者が身寄りの無い生活保護の高齢者だったということ。生活保護支給をホームが受けて残金が小遣いでしたか。支給方法や墨田区からの越境など、問題点もあるように聞いていますが、生活保護の独居老人の受け皿としてやりきれない感じが拭えません。我々防災屋もそうですが、高齢福祉行政としても消防行政としても尚更コンプライアンス通りにお答えするしかないところ。此処にいたるまでかなり腐心したことでしょう。我々現役世代や将来世代の負担とのバランスもお願いするところ大ですが、このあたりが政治のポイントなのでしょう。勿論、現状に対してだけでなく、子供の時分から働くことの意義など教育の見直しによる予防ということ(もう始まるところ)。フリーターや派遣を新しい生き方のように盛り上げた風潮が過去にありました。此処に到って(なぜか)派遣先の企業が責められています。農業、林業、介護関係、職場はたくさんあります。勤労と納税の社会的な義務、公共心を見直さないともう尻に火が付いています。

 憲法で保障される自由や権利の概念のなかから「公序良俗に反しない限り」という一文が完全に抜け落ちています。風潮というもの、とても大切だと思います。




5/7追記;続報記事 たまゆら慰霊祭 やりきれないを無くしたい UPしました。

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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